【神学院】北国ディルカメネスの王都に立つ、神官を輩出するための学院。学術の粋。生徒たちには勉学の資質はもちろん、「法術」と呼ばれる力への適応力が求められる。

ハルミヤ・ディルカ
神学院に通う女生徒。ディルカは拾い子の意。体は弱いが、学術と法術の成績では首位に留まり続ける秀才。口が悪くぶっきらぼうなため、周囲からは距離を置かれている。

エツィラ・ディルカ
ハルミヤの双子の妹。健常な体を持つものの、日々補講に追われる落ちこぼれ。孤立しがちなハルミヤを気にかけている。

ラケイユ・ブラン
学院図書室の管理を手伝う男子生徒。価値のない古代神学や占星術を好んで学ぶ変人。迂遠な言葉でハルミヤに付きまとうために、彼女からは嫌われている。

セルジュ・フェネオン
神学院の生徒。法術は苦手だが、情に篤いため友人が多い。

テオドール・キュヴィエ
神学院の院長。神殿と学院との橋渡しをするほか、才気に満ちた貧しい子供を拾い上げては私費で育てている。


【神殿】命龍シルヴァスタを祀る神殿。神学院から選び抜かれた神官のほか、神と彼らを守る護神兵たちが在する。

バルク・ロア
護神兵を務める青年。兄貴分としてハルミヤに接する。

【龍】強大な力と知能、寿命を持つ生物。他者との間に交わす約を命よりも尊いものと置く。かつては人との間に関係を築いていたが、今は数を減らし、姿を隠している。

シルヴァスタ
ディルカメネスの神殿に祀られた命龍。その鱗や牙を媒介に、人は法術を用いる。体は厳重に守られており、神殿の神子だけが対話の機会を持つ。

アルヘナ
雪原に死に場所を求めた銀龍。盟約に縛られ、銀髪に緑の瞳をした人の女性の姿を取る。人の営みに疎く、多弁を厭う。

クロエ・ファイエット
ディルカメネスの小さな村に暮らす少女。家族を喪い、村人の力を借りながらも一人で生活してきた。

ルクレール
ラケイユと行動を共にする老人。神学院の教授を務めるほか、剣術の腕に長ける。

飛鼠
王都に跋扈する悪漢のリーダー。揶揄と暴力を好む。