STORY

都市に置かれた学校には、肌の色も、目の色も、髪の色も、本国の子供とは異なる生徒が混じっている。境界無き学び舎――自慢げに掲げられた建前を、誰もが鼻で笑っていた。異物ははじき出されるものだ。レールに置かれた小石のように。黒い髪をした“彼女”のように。みなと笑っていなければ、私はここにはいられない。

前髪がひどく気にかかる。
ことあるごとに視界をよぎる、それは夜のように深い黒塗り。

“彼女”と同じ色をしている。

ABOUT

  • デイズエンド・トワイライト
  • 執筆:梶つかさ
  • http://kotonohaforest.soragoto.net/
  • 仕様:カバー付文庫、74P
  • 価格:500円
  • 初版:2017/04/01
  • (第5回Text-Revolutions)
  • 【B-08】ホシカン 様(委託)